2009年7月14日火曜日

南紀熊野・赤倉は聖地でした!

昔、クラブのスキーツアーや山行きでご一緒したことがあるIさんが、リタイアしたご主人と共に都会から移り住んで田舎暮らしをされているお宅をお仲間と訪問してきました。吉野から、国道169号線を北山川沿いに延々と南下して熊野地方に至り、左折して渓谷沿いにどんどん分け入って行きます。おいおい道を間違えたんとちゃうか、この先にほんとに人が住んでるんかいな、と思う頃、やがて、前方がぽっと開けました。自宅を出てから、なんと5時間近くも経っていました。集落と言っても、他には90歳近いおばあさんが1人住んでいるだけです。車から降り立つと、なんと表現したらよいのでしょうか、癒されるというか、ほっとするというか、すうっと落ち着くようなものを感じました。

ご主人手製のベランダで、鹿刺し、猪肉のバーベキュー、自家製野菜、また「羽津子のちゃや」特製の濃厚風味のジビエカレーなどに舌鼓をうちながら、心地よい酔いに身をまかせて談笑していると、やがて、東の山からお月様が昇ってきました。Iさんはここを一目で気にいられたそうです。1年余り通って補修し、早や4年とのこと。また、ここを訪れたある方は、「ここには天狗様が住んでいる。」とおっしゃったそうです。

いつしか夜も更けて、離れの古民家で眠ったのですが、明るさにふと目を覚まし首を起こすと、広縁のガラス戸があたかも額縁であるかのように緑の山並みが展開しており、朝日があたり始めていました。その山肌の中腹には、黒い岩塊が3つ横に並んで見えました。すっかり目が冴えてしまったので、庭に出ると、上が平らな巨岩が傍らに鎮座しているのが目に留まりました。

その瞬間、すべてを理解できたように思いました。修験道の行者たち(天狗)がこの岩上に座して、三つ岩を凝視し、真言を唱えながら、精神統一・加持祈祷・瞑想を行じた、のだと。

古来、宗教的修行が行じられた一帯には、清らかな雰囲気が醸し出されています。それは、「氣」とも言うべき、修行者たちの思念が残っているからだそうです。ここは、あまたある、そういった「聖地」「パワー・スポット」のひとつではないかと思うのです。

本来、この金土日と、昨年同様、高野山ヨガ講習会が予定されておりましたが、中止となりました。代わりに同じ世界遺産地域の赤倉を訪れたことに因縁を感じます。そのパワーが凝縮されたかのような自家製の「赤倉番茶」をおみやげに帰路につきました。

<羽津子のちゃや>

<座禅岩と三つ岩>


<クライマーの聖地・大丹倉(おおにぐら)>



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