2010年8月1日日曜日

山の怪異談(その2)---北アルプス穂高岳をさまよう地縛霊

また暑さがぶりかえしてきました。8月はさらに暑く、40℃に迫る激暑となるそうです。 では、ここらで少し涼んでいただくとしましょう・・・・。以下は私の兄弟の若かった頃の山岳遭難事故遭遇の体験談です。

ある夏の日、彼は山岳会の相棒と北アルプス北穂高岳滝谷のクラック尾根を登攀していた。人気のある岩場だけあって、彼らの上方にも下方にも登攀パーティーが居た。その最中に、上部のパーティーが浮石を踏んだのであろうか、落石を発生させてしまった。落石は幸運にも彼らには命中しなかったのだが、頭上を飛び越え、下部のパーティーの1名が直撃を受け転落死亡してしまったのである。

<クラック尾根(手前の右斜上する壁状の尾根)>



彼らは動揺しながらも登攀を無事終了した。その日は、北穂高岳小屋から縦走路を大キレット方面へ少し下ったところの通称B沢のコルでビバークした。その真夜中のことである、ふと目を覚ました彼はツェルトの周りを歩き回る靴音を聞いた。しばらく寝袋の中で耳を澄ませていたのだが、意を決してツェルトから首を出してあたりを見回した。しかし、何者も見当たらなかったのである。

彼は、転落死亡者の霊が彷徨っていたのではないか、と言う。ひょっとして、その他にも多数の遭難死亡者の霊が成仏できずに、今も地縛霊となって穂高岳周辺を彷徨っているのではなかろうか。歩き疲れてヨレヨレになった中高年登山者の足を引っ張ろうとして・・・。いや、この付近での転落事故が多いのもこのことと関連があったりして・・・。

後日談だが、この事故は裁判沙汰となり、約100万円の示談で決着したとのことである。

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